抑え抑えてBIKEを終了。タイムは理想に全く届かず、とは言え、てるみに伝えていた目標タイムと、ほぼ同じだった。
T2を出ると待ち構えていたのは階段!大問題を抱えているのに… 前日バックを預ける際、てるみと「180キロの後、アレを降りてくるんだ!?」と見て笑った件「手すりをしっかり持って降りてきてね!」と彼女からアドバイスをもらい、左手でしっかり掴んだのであった

T2に入る寸前から、どうもお腹が実にヤバい、しかも、緊急性の高いさはMAX。
着替えをテント横のパイプ椅子で済ませるが、その間中頭をよぎったのは、大問題爆発事件…それほどヤバい状態だった。幸いだったのは、振幅の波が大きかったことで、あちらへ波が去ればなんてことないが、コチラへ寄せてきた際は、いつ爆発してもおかしくなかった汗
全く落ち着いて着替えられない。ソックス等の着替えを持って先に大問題を解決すべきとも考えたが、そのトイレの位置をスタッフへ確認するとあの階段下とのこと。もし大問題を抱えつつふらつく足取りで下ると確実に、あの蒲田行進曲の平田満の如く「銀ちゃん!」と叫びつつナチュラルに階段落ちを演じる羽目になりそうだ。しかも映画とは違い、階段の素材は木造ではなく石造り、、、血みどろの顔が目に浮かぶ

血みどろはマズい。気を取り直し波が収まったところで、着替えを進めるがココで厄介なのは、バイクソックスからの履き替え、五本指ソックス。それに加え、補給食を爆食しなきゃならなかった。ダブルの問題と大問題の三つを抱えつつ、三拍子で対応する。
階段を降りると、てるみの黄色い声援(笑)「と、といれ、、、」と応答も寸時にすませて、駆け込む。基数が少ないので遠目から祈る気持ち。それよりもトイレ前に行列が無いため顔が緩む。運よく待ち時間なしで問題を解決した。

結局、補給食を飲み込むことができず、一口も食べられなかったが、大問題は何とかクリアできた、、、しかしながら和式トイレだったというオチ笑
そして、いそいそとランをスタートした。ペースは上がらない。キロ7分がやっとだった。何とかキープしたい気持ちであったが、そこは全くあかんかった。
気持ちを切らさず、歩かないように、、、とするも、そんなに甘くはない。BIKEで頑張らないように、心拍数を上げないようにと抑えていた筈が、やはりそうでもなかった。心拍数に気を取られ過ぎてパワーを抑えきれていなかったのかもと、STRAVA先生に教えてもらうと、やはりそうだった。強度は75%で加重平均パワーが149w、自分のFTPは200w程度なので、120wに抑えるべきだった。心拍数も最大が175bpm程度なので、平均は105bpmとすべきところ平均131bpmで最大のそれは159bpmだった。感覚的には110-120bpmのつもりだったが、この辺の判断が緩かったと言えよう。

補給の判断も緩かった。補給はS.Nも含めて、しっかり準備をしていた。総カロリー数は1,500kcal程。、BCAA+経口補水液+アミノ酸のドリンク、塩。それらの殆どを口にすることがなかった。というか、補給する気にもならなかった。エイドで準備された補給食は、バナナ、リッツ、じゃがりこ、塩タブ、そしてドリンクといった風で、時間の経過と共に空腹感にも追い打ちを掛けられた。失速はさらに明らか。周囲の選手たちはサクサクと走っていく。その姿を追い越すことも追いかけることもできず、ひたすらひたひたと修行に徹する。
ランコースは、以前の佐渡ランコースに似た田園風景が広がる。流石に国立平野が続く広大さは感じられないが、周囲を山々に囲まれ、いつ熊が出てきてもおかしくない(笑)

熊ついでに、数台のBIKE伴走が、鈴を鳴らして行ったり来たり。明らかに「熊除けの鈴」だった。呑気に「熊なんて出てくるわけないわ~」なんて絶対に思えない程、コースは自然と共生していた。「あの斜面から出てこられたら、逃げ切れんな」とマヂで思った。実際後から聞いた話だと、大会当日から割と近い日、現地で女性が何者かに喰いちぎられた状態で見つかったらしい、、、熊に出くわさないことを祈る(^^ゞ
1LAP目、少しずつ日が暮れてきた。2、3LAPの選手たちは右へ回避、左側はフィニッシュラインのエムドットがチラつくコースへと誘導される。フィニッシュゲートを横目にしつつ周回を重ねるのは、弱いメンタルを直撃するから嫌だ(笑)

この直ぐ先にスペシャルニードの受け渡し場所がある。そこで、しばし休憩しつつ、暗闇対策に購入したライトをサンバイザーのツバへ装着する。確かに照明が少なく、暗くなるにつれて足元が不安になってくるように思えた。
2LAP目、木古内町の夕焼けがとても綺麗だ。わずかな時間しか味わえなかったが、レースに参戦していることの喜びを感じずにはいられない。ペースは、1kmあたり歩く時間と走る時間が半々になってきた。大問題はアレから起きることはない。そんな中、サクサクと走る小島さんにぶち抜かれた。そもそも抜かれてばかりではあったが、あの快適に走り切る後ろ姿には脱帽だ。そして彼女は見事KONAのSLOTをゲットした。
相変わらず、熊除け隊のBIKEが伴走してくれる。途中に一箇所だけある劇坂は北海道新幹線を跨ぐためのもので、三回とも歩かせてもらった。とても走り切れない。そこを過ぎしばらく行くと、日本ハムのユニフォームを着たおっちゃんが、「You’re an IRONMAN!がんばれIRONMAN!」と声援を贈ってくれた。流石に最終LAP時は漆黒の闇に包まれるため、姿は見なかったが、それでも二回も声援を受けられたこと、とても励みになった。木古内町の中心地へ入ると、てるみが待っていてくれた。時間がかかって申し訳ないことこの上ない。あと1周「1時間半はかかかるから!」と告げる。

3LAP目。もう一度スペシャルニードを受け取る。空腹感もかなりのもの。モルテンを無理やり飲み込むが、その1本がやっと。ドリンクの入ったペットボトルを手に持ち、最後のLAPへ、選手たちの流れに乗る。普段から口にしているドリンクが、何故かこの日は全く合わなかった。クエン酸を入れているのだが、やたら酸っぱいのだ。50を過ぎて、梅干しが強敵になったのだが、それと同様の違和感が胃を襲う。
更に暗闇が深まる。頼りにしていたライトが30k過ぎで電池切れという事態に。他の選手たちのライトに頼るしかなかった。かなり後ろから足元を照らしてくれたが、抜かれると再び闇に戻る。闇夜の空、北海道の夜空、早朝の嵐のような風雨、雲は嘘のようにない、正に雲散霧消。昨年の同時期は、西表島の夜空を砂浜に寝っ転がりつつ、家族の皆と感動していた。北海道の夜空も、負けていない、とても綺麗だ。空気が澄んでいるからか、瞬く星が話しかけてくれているようだ。

最後のエイドを過ぎる。各所のエイドのテーブル上には、手作りの灯篭が選手たちにエールを贈っていた。「がんばれ!」等と書かれた灯篭は、淡い電球色の光で照らし、スタッフたちの人柄を感じるようだった。「遅くまでありがとうございました。」というと「私たちも感動をありがとう!みなさんの姿に、とても感動しています!」と返してくれた。

そして、ようやくフィニッシュラインへたどり着いた。入った直ぐから「たろーさーん!、おかえり!」と、てるみの声が聞こえる。振り返りつつ、右手を挙げて応える。長い時間、付き合ってくれてありがとう!
贅沢なリクエストをすると、もう少しフィニッシュラインは長い方がうれしい(笑)

悔しいゴールとなった。
思い通りの展開にはならないし、自らのウィークポイントが如実に結果に表れた。
これがIRONMAN、フルディスタンスの面白味なんだろう。