9回目のIM完走は、心底悔しいものとなった。
いままでは、完走しただけで良しとしていたが、それなりに練習した結果としてはあまりにも不甲斐ない。多くの時間を犠牲にしたにもかかわらず、この結果。証明されたのは、間違った練習であったことに過ぎないこと。それは、自身に対し悔しさを演出したに過ぎなかった。
悲しすぎる…
レース当日の早朝、午前3時
窓を雨が叩きつける音で目が覚めた。函館駅を見下ろすホテルの窓から外を見ると、街路樹が左右に大きく揺さぶられている。強風だ。前日の予報通りの風雨が街全体へ襲いかかる。同時に、海の状況が気になって仕方ない。
前々日の函館の夜景
当日の移動方法。前日まで迷ったが、車で移動した。迷った理由は、大会シャトルバスに家族が同乗できないから。もともとシャトルバスの利用を前提としつつ、ホテルは函館駅前をチョイス。シャトルバスの拠点とされていたのがその理由で、このことは随分前からアナウンスされていた。しかし、7月頃に発表されたアナウンスでは、当日の朝だけは選手オンリーということ。これは想定外だった。
応援者に優しくないのは…?
車で移動するということは、駐車場の心配をしなければならない。受付時も相当混雑しどこも満車状態。4時には北斗市役所の駐車場にいなければ大変なことになりそうだった。実際の到着時は、スペースに余裕があった。その時点で会場入りを予定していた5時半まで1時間あった。まだ夜が明けない空、車中でひと眠りする。
駐車場は余裕があるのか無いのか…
車中で寝られたのか、よく分からない状態で目が覚める。外の空は薄い明かりが差し、目の前の街路樹は揺れていない。なんとあれだけの豪雨がすっかり上がり、風も止み、最高のコンディションに期待が膨らむ。
車から降り、ウェットスーツ、パーソナルニーズバッグ等を抱え路上に出る。すっかり夜が明け薄暗さが更に明るいグレーに変わる。会場へ向かう人たちの表情も、笑顔、真顔等が明るくなるにつれ、わかるようになってきた。
しばらくすると、前方から和田さんの姿が。会場とは逆方向に歩いてきた。どうしたのかを聞くと、準備が終わり不要となったポンプ等を車へ戻しにきたという。さすが、やることが早いと関心したその瞬間、自分の手にポンプがないことに気づく。てるみにその場で待っててもらい、自らは車へポンプを取りに戻る…汗
T1、選手があちらこちらと準備に取り掛かっていた。先ずは、バイクの元へ。入口で腕に巻かれたベルトを見せ、直ぐに声をかけられた。おっと、未会の鵜飼英一さんではないか!トラッカーで何度も名前を探したことを告げると、どうやらカタカナで検索可能だったようだ。本人も、何故なのかわからないと言った風だった。
未会仲間の鵜飼さんと、T1でバッタリ!
夜中大雨に晒されたバイク、異常無しでひと安心。何せ180キロの道のりの運命を預ける訳だから、神にも祈る気持ちだ。そうそう、7月の落車でお守りを変えたことを、この時点で気づいた。今度のお守りはシール。勿論、国府宮神社のもの。心清らかに、、、今日一日の安全を祈願しつつ、バイクへ厳かに貼付する…笑
次は、ストリートギアバックとパーソナルニーズバッグを預ける。場所は、他の選手の動きを見つつ移動。預ける際、口を固く結ぼうとヒモを引っ張ると、ビリ…っと袋が裂けた。T1、T2に預けたバックも前日、ビリ…っと裂けた…汗 引っ張りすぎか…
雨に備えて、袋を二重にしていたのは、てるみのアドバイス。そのおかげで、ひとばん露天に晒されても、中身は無事だった。
バックのラックスペースには屋根ナシ!
トイレ問題は大では無く小さな問題は抱えた。明らかに設置数の少ない簡易トイレ前には、予想通りの大行列をなしていた。隣の小さな公園内にある公衆トイレへ目を向けると、列は長くない。最後尾付近の選手へ大問題の行列かを聞くと、答えはNO。小さな問題は、即時解決した。その後、ウェットスーツへ着替える。
丁度着替え終わった頃、6時。15分間の試泳タイムが始まった。波は水際に押し寄せ、若干高い感じではあるが、昨年のフィリピンに比べると、全く問題なし。ココ北海道ではウェットスーツも着用しているしね。海へ入る。思いの外、遠浅だ。第1ブイ(恐らく200m)まで歩いて行ける。コーナーの目印となる赤いブイまでそれほど遠く感じず、そこまで行ってきたという、ルミナの謝さん曰く「赤いコーナーブイが風で立たなかったらしい。他のコーナーブイも同じだから、とても見にくい」確かに… コーナーブイは長さこそ2m超あるが、海上に横たわっているため、海面からの高さは50㎝もない。波で隠されるだろうと容易に想像がつく。
みんな、函館山を目指せ!
MCがスタート直前の選手を盛り上げる、恒例のシーンがやってきた。そしてその声の主は、これもお馴染みのウィット・レイモンド氏。「9年振りのIRONMAN Japan!」これだけで気持ちが昂る。それに加えて、海外でしか味わうことの出来ないIRONMANレースを日本で参戦することに、自分としては魂が震えた。この大会で、ゴールよりも感動した瞬間だ。
そして…いよいよ6:30、号砲と共にローリングスタートが開始、次々と選手達が海へ、函館山へ向かって泳ぎ始めた。長い一日の始まりだ。
撃った?